投資ニュース

2月26日 日本株市場の業種別動向と注目セクター・銘柄

2月26日マーケット

業種別の市場動向(上昇・下落した業種と背景)

2月26日の東京株式市場では、全33業種中17業種が上昇しました。上昇率トップは不動産業(+2.19%)で、次いで食料品(+1.19%)海運業(+1.04%)陸運業(+0.93%)、**医薬品(+0.82%)**などディフェンシブ系セクターが堅調でした。一方、**石油・石炭製品(-1.91%)**が下落率トップとなり、銀行業(-1.67%)卸売業(-1.51%)その他製品(-1.35%)、**鉱業(-1.31%)**など資源・金融関連株を中心に売りが目立ちました。

こうした動きの背景には、米国景気の先行き懸念によるリスクオフが挙げられます。前日まで買われていた商社株などの資源関連株が景気不安を背景に利益確定売りに押され、また日米の長期金利低下を受けて銀行株が大きく下落しました。その一方で、景気変動に強いディフェンシブセクターに資金が向かい、不動産や食料品といった業種が買われています。実際、この日の日経平均株価は一時500円近い下げとなる場面がありましたが、後場には押し目買いも入り下げ渋りました。円高基調(一時1ドル=148円台半ば)による輸出企業への逆風もあり、半導体や機械など主力株に売りが出た反面、内需系や高配当利回り銘柄が相対的に強さを見せています。

特に注目すべきセクター:不動産業

この日の市場で最も上昇した不動産セクターに注目します。不動産業種指数は+2.2%と33業種中トップの上昇率を記録しました。不動産株は通常、金利上昇局面では敬遠されがちですが、現在は都心オフィス空室率の低下と賃料上昇が顕著で、不動産大手各社の業績は好調です。日銀の追加利上げがあっても不動産株が崩れにくくなっており、「賃料上昇率が金利上昇を上回る」状況下で不動産株の割安感が意識され再評価されつつあります。この日は長期金利の低下もあって借入負担増懸念が和らぎ、セクター全体に見直し買いが入りました。

個別では、不動産大手の三菱地所<8802>なども上昇し、同社株価は終値で前日比+1.4%の高値引けとなっています。三菱地所をはじめとする大手デベロッパーはオフィスや商業施設の好調な賃料動向に支えられ、今期業績も堅調です。不動産セクターは資産価値の裏付けや**インバウンド需要(商業施設・ホテル開発など)**も追い風となっており、中長期的な投資妙味が増している点に注目できます。

注目の個別銘柄(厳選3件)

続いて、本日のマーケットで特に注目すべき個別銘柄3選をピックアップします。それぞれ (1)材料が出た銘柄, (2)意外なニッチ銘柄, (3)投資妙味のある銘柄 に該当するものです。それぞれの最新ニュースや株価推移、投資家目線でのポイントを見ていきましょう。

1. JPホールディングス <2749> – IR発表で急騰した保育関連株

最新材料: 25日引け後、子育て支援事業大手のJPHDが2025年3月期業績予想の上方修正を発表しました。営業利益見通しを従来の47.51億円から57億円へ大幅増額し、前期比+24%の増益で過去最高益更新となる見通しです。業績好調を受けて株主還元策の強化も発表し、年間配当予想を9.5円から12円へ増配(前期実績8円)するとともに、新たに株主優待制度(毎年3月末と9月末時点で500株以上を半年以上保有の株主に年2回×QUOカード1万円相当を贈呈)を導入しました。児童数増加による収益拡大が会社想定を上回るペースで進んでおり、業績・配当予想の上方修正に踏み切った形です。

株価の推移と反応: この発表を受けて26日のJPHD株は朝から買いが殺到し、一時ストップ高の605円まで急騰しました。終値でも前日比+17.0%(+88円)の605円となり、東証プライム市場の上昇率トップに躍り出ています。株主優待を加味した実質配当利回りの大幅上昇(500株保有で年間2万円相当のQUOカード=利回り約6.6%相当)を好感した買いが集中し、出来高も急増しました。業績・配当の上ブレを評価する動きに加え、優待新設で個人投資家の長期保有ニーズも高まり、ストップ高張り付きの強い動きとなりました。

投資家視点の注目ポイント: JPHDは全国で保育園運営を展開する業界最大手で、待機児童問題や共働き世帯の増加を背景に着実な成長を遂げています。同社は業績拡大とともに還元策も充実させ始めており、増配・優待新設による株主重視の姿勢が鮮明です。今回の上方修正後でも予想PERはおよそ15倍台とされ、保育需要の底堅さを考慮すれば割高感は強くありません。また優待込みの総合利回りが高水準(優待+配当で実質利回り約8%超)となったことで、長期保有のインセンティブも高まりました。今後は政府の少子化対策や保育支援策の追い風も期待され、引き続き業績拡大と株主還元の両立に注目です。

2. トラース・オン・プロダクト <6696> – AI×省エネのニッチ技術に脚光

最新材料: 東証グロース上場の小型株トラースOP(トラース・オン・プロダクト)が開発したAI電力削減ソリューション「AIrux8」に朗報です。25日取引終了後、同ソリューションが「大手電子機器メーカー」の事業所に導入決定したと発表されました。AIrux8は空調設備の電力消費をAIで最適化し削減するシステムで、戦略パートナーの加賀FEI社と連携して提案し、実証された削減実績が評価されたとのことです。導入開始は3月末から予定されており、来期(2026年1月期)の売上高増加に寄与する見込みと発表されています。

株価の推移と反応: 省エネAIの実用化期待から、26日の同社株には買いが集中しました。株価は前日比+80円高の531円でストップ高まで急伸し、連日での大幅上昇となりました。発表翌日の寄り付きから買い気配で始まり、わずか数十分でストップ高に張り付きました。出来高も通常の数倍に膨らみ、市場では「ニッチなAI技術が大手に採用」とのニュースに敏感に反応しています。先週から株価は上昇基調にありましたが、材料公表により投機資金も流入し、一気に年初来高値圏まで駆け上がりました。

投資家視点の注目ポイント: トラースOPは時価総額数十億円規模の小型企業ですが、AI×省エネという時代のニーズに合致した独自技術を持つ点が魅力です。大手メーカーへの採用決定は製品の信頼性を裏付けるものであり、今後他の工場や施設への横展開による受注拡大に期待が高まります。実際、今回の導入決定は「空調電力の大幅削減実績」が評価された結果で、企業のコスト削減・カーボンニュートラル需要を捉えたサービスといえます。来期以降の業績成長が見込まれるなか、まだ売上規模が小さい同社にとって単一契約の寄与度も大きく、成長余地は十分です。株価急騰で短期的なボラティリティは高いものの、「エネルギー効率化×AI」というテーマ性から中長期の成長シナリオに乗る可能性があり、引き続き動向に注目です。

3. スマイルホールディングス <7084> – 初配当10%超で脚光、割安修正に期待

直近のニュース: 保育園「キッズスマイル」を運営するSmile Holdings(旧キッズスマイルHD)が、株主への初めての配当実施を発表しました。25日取引終了後に公表したもので、2025年3月期に期末配当95円を実施する方針です。同社は2019年上場以来無配を続けてきましたが、ここにきて初配当を決めた形です。前日終値(894円)ベースの**予想配当利回りは10.6%**に達し、市場の高配当ランキングでも上位に躍り出ました。併せて、「成長投資を続けつつ安定配当を行う指標としてDOE(株主資本配当率)を重視する」と表明しており、今後も継続的に配当を実施していく方針を示唆しています。

株価推移と市場の反応: 初配当のサプライズにより、26日のスマイルHD株は買い気配スタート。前日比+150円(+16.7%)高の1,049円でストップ高まで急騰し取引を終えました。無配だった銘柄が一気に二桁利回りの高配当銘柄に変貌したことで、市場参加者の注目が集中しました。当日の出来高は直近平均の10倍超に跳ね上がり、高値圏でも大量の買いが継続。配当権利取りを狙う買いだけでなく、「今後の株主還元姿勢の変化による株価水準の見直し」を期待する中長期志向の投資家も参入した模様です。株価は発表前の水準から2日間で約+25%上昇しましたが、それでも予想利回りは9%前後と依然高水準で推移しています。

投資家視点の注目ポイント: Smile HDは首都圏中心に保育園や学童施設を運営する企業で、安定したストック型収益を持ちながらこれまで配当を出さず成長投資に注力してきました。今回の初配当実施は、財務基盤の安定や収益力向上にメドが立ったことを示すものと受け止められます。配当利回り約10%という数値は群を抜いており、仮に来期も同水準の配当が維持されれば株価の下支え要因となるでしょう。また、同社は昨年より新規事業として産後ケア施設の運営にも乗り出しており、保育×ヘルスケアの分野で成長余地があります。現在の株価水準(PER約8倍、PBR約1倍)は割安との指摘もあり、配当開始を機に市場から適正評価を受け始めたといえます。もっとも、小型株ゆえ流動性は限定的であり、配当実施が継続されるか業績動向と合わせて見守る必要はあります。しかしながら、「安定成長+高配当」という投資妙味から、同社は今後しばらく株式市場で注目度が高い銘柄となりそうです。

Sources:

  • 株探ニュース「米景気懸念で売り広がる…日経平均続落」(2025/2/26)
  • みんかぶ(株探)「日経平均 大引け|続落、米ハイテク株安で売り優勢」(2025/2/26)
  • 株探 「東証業種別ランキング:不動産業が上昇率トップ」(2025/2/26)
  • 株探トップ特集「「賃料上昇>金利上昇」で再評価、今こそ狙い目のREIT・不動産株」(2025/2/12)
  • みんかぶ(株探)市況ニュースより(三菱地所など個別銘柄の動き)(2025/2/26)
  • 株探ニュース「話題株JPHD…業績上方修正と株主還元策で急騰」(2025/2/26)
  • フィスコ速報「トラースOP—大幅続伸、AI電力削減ソリューション大手導入へ」(2025/2/26)
  • Yahoo!ファイナンス速報「トラースオンがストップ高、AIrux8導入決定」(2025/2/26)
  • 株探ニュース「話題株スマイルHD…初配当95円でストップ高」(2025/2/26)
  • MoneyDJ公司情報「Smile Holdings Inc. 業務拡大(産後ケア事業参入)」(2024年)
ABOUT ME
いけだい
現在会社員として働きながら、40歳を超えて投資を通じて本格的に資産形成を進めています。このブログでは、**「これから投資を始める人」や「今後の資産形成に漠然と不安を感じている人」**に向けて、実体験を交えた情報を発信しています。
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