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米国市場の振り返り(2月26日)

主要指数の動向: 2月26日の米国株式市場はまちまちの展開となりました。前日まで続いていたハイテク株中心の売りが一服し、S&P500種株価指数ナスダック総合指数はわずかながら反発、一方でダウ工業株30種平均は小幅に下落しました。具体的には、ナスダックとS&P500がほぼ横ばいないし小幅上昇となる一方、ダウ平均は若干の下落で取引を終えています。前日25日までの動きを踏まえると、S&P500とナスダックは4営業日続落して一時1ヶ月ぶり安値を付けていた経緯があり、この日の小反発で下げ止まった格好です。25日時点ではダウ平均が前日比+0.4%(+159ドル)と続伸し、逆にS&P500が-0.5%、ナスダック総合が-1.4%と大きく下落していました。そうした流れを受けた26日は、ハイテク株に押されていたナスダックが持ち直し、相対的にバリュー株中心のダウが利食い売りに押された形です。

セクター別のパフォーマンス: 前日までの下落局面ではハイテク関連の下げが目立ちました。25日は情報技術(テクノロジー)通信サービスエネルギーが主要セクターで下落率トップとなり、それぞれ-1.3%〜-1.5%と売られています。一方で景気敏感株が売られる中、生活必需品などディフェンシブセクターが相対的に買われ、セクター間で明暗が分かれました。26日はそうした流れが若干反転し、ハイテク・半導体株に買い戻しが入ったことでNASDAQが支えられています。ただ依然として市場全体の約6割の銘柄が下落しており(NASDAQ市場では下落銘柄が優勢)、投資家の慎重姿勢が続いていることが示唆されます。

重要な経済指標と影響: この日の投資家心理に大きな影響を与えたのが、前日に発表された消費者信頼感指数(コンファレンスボード)の低調な結果です。2月の指数は98.3と市場予想(約102)を大きく下回り、3ヶ月連続の低下となりました。これは消費者マインドが直近数年間で最も冷え込んだ水準であり、個人消費の先行きに慎重な見方を示す企業が増える中で「景気を巡る不透明感の高まり」が浮き彫りになった形です。この弱い指標を受けて25日は明らかなリスクオフの展開となり、ハイテク株や銀行株が売られる一因となりました。26日は他にも新築住宅販売件数などが発表されましたが、消費者マインドの悪化による景気減速懸念が強く意識されており、全般的に上値の重い展開が続きました。

エヌビディア決算分析

市場予想との比較: 米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の2024年11~2025年1月期(第4四半期)決算は、市場予想を上回る好結果となりました。売上高は前年比+78%の393億ドルに達し、予想の380億4,000万ドルを上回りました。最終利益も大幅増益を達成しており、調整後1株利益(EPS)は0.89ドルと予想の0.84ドルを上回っています。前年同期からの成長率は売上・利益ともに驚異的で、AIブームを背景に**「過去最高の増収増益」**を更新しました。これでエヌビディアは4四半期連続で市場予想を上回る業績を達成したことになり、引き続きウォール街の高い期待に応えた形です。特にデータセンター向けを中心としたAI関連事業が業績をけん引し、同部門の売上高は前年同期比+93%の356億ドルと、全社売上の9割超を占めるまでに拡大しています。

ガイダンス内容と市場の反応: 同時に発表された今期(2025年2~4月期)の業績見通しもポジティブでした。エヌビディアは第1四半期売上高を約430億ドル(±2%)と予測し、これは市場予想の417億8,000万ドルを上回る水準です。データセンター向けの新型AI半導体「ブラックウェル」などへの需要が引き続き非常に旺盛で、各国企業が生成AIインフラ拡充に巨額投資を続ける中、少なくとも上半期は強い成長が持続するとの見通しを示しました。この強気のガイダンスは、一部で取り沙汰されていた「需要減速懸念」を払拭するものとなりそうです。実際、中国の新興企業が低コストのAIモデルを発表したことでエヌビディア製品への需要減速リスクが指摘されていましたが、その懸念も今回の見通しで和らぐとの見方が出ています。市場の反応としては、決算発表を受けた時間外取引でエヌビディア株は一時+1%高と小幅上昇しました(通常取引終了時点では発表待ちの思惑買いもあり+3.7%と大幅高で引けていました)。投資家の間では、「これだけの高成長がいつまで続くのか」という持続性への警戒もあるものの、CEOの黄仁勲氏は「現在の需要環境は素晴らしく、2025年以降も成長が継続し得る」と自信を示しています。強気の業績見通しに裏打ちされた発言もあり、ひとまず市場は安堵感から買い戻しで反応しています。

株価の動きと今後の展望: エヌビディア株は2023年以降、AI需要を追い風に急騰し時価総額が一時2兆ドルを超えるなど市場を牽引してきました。今回の決算発表前後でも株価は乱高下する場面がありましたが、発表翌日の2月27日以降も堅調な推移が予想されます。もっとも、投資家は今後の課題にも目を配っています。エヌビディア自身、「最新GPU(ブラックウェル)の供給不足は依然続いており、今年後半投入予定の次世代製品でも不足が予想される」と述べており、需要に供給が追いつかない状況が続く見込みです。また米中対立の余波で、米国政府がエヌビディア製AI半導体の対中輸出規制を一段と強化する可能性も指摘されています。こうした供給面・規制面のリスクはあるものの、現時点では「AIブームは始まったばかり」であり、データセンターやクラウド大手(ハイパースケーラー)からの受注は引き続き底堅いと分析されています。今後もエヌビディアの業績動向と株価には注目が集まりそうです。

今後の市場展望

FRB金融政策の見通し: 足元のインフレ率はピークアウトしつつあるものの、依然として米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回っています。そのためFRBは当面は高金利政策の維持を余儀なくされそうです。実際、地域連銀総裁などからは「インフレが2%に戻る明確な兆しが見えるまで、金利据え置きの様子見姿勢を維持する」との慎重な姿勢が示されています。一方で市場では、景気減速が進めば年内に利下げに転じる可能性も織り込み始めています。金融先物市場では2025年末までに合計0.5%程度の利下げが織り込まれており、0.25%刻みの利下げが2回程度実施されるとの予想に相当します。FRBとしては物価と景気の双方に目配りする難しい舵取りが続きます。仮にトランプ政権下で提案されているような追加関税策が実施されれば、一時的に物価押し下げ(景気減速)要因となる半面、中長期的には関税そのものが物価押し上げ要因ともなるため、金融政策当局にとってジレンマとなりかねません。当面は高インフレ退治を最優先に据えつつ、景気失速の兆候には柔軟に対応するとのスタンスが維持されそうです。

マクロ経済の状況とリスク要因: 米経済は労働市場の底堅さなど明るい材料もある一方で、消費マインドや製造業の一部に陰りが見え始めています。近週間で公表された消費者信頼感指数の急低下や相次ぐ弱い経済指標は、「実際の指標が示すよりも経済の足腰は脆弱かもしれない」との声を強めています。実質的な景気減速への警戒から景気後退(リセッション)リスクもくすぶり始めており、安全資産志向の高まりにより米国債利回りが急低下する場面も見られました。実際、10年物国債利回りは最近4.1%台まで低下し、投資家が先行きに備え始めていることがうかがえます。一方でインフレ率は低下傾向にあるものの依然「高止まり」しており、スタグフレーション(景気停滞下でのインフレ)への懸念も完全には拭えません。こうした中、企業業績面ではハイテク・半導体を中心に好調を維持する企業と、金利高やコスト高で利益圧迫に苦しむ企業とで明暗が分かれています。銀行セクターでは景気後退懸念から株価が下押しされる局面もあり、セクター間ローテーションにも注意が必要です。総じて米経済は**「表面的な指標以上に脆弱」(米財務長官発言)**との指摘もある状況で、インフレ動向・景気指標の双方をにらんだ神経質な相場が続くと考えられます。

トランプ前大統領の動向による市場影響: 政治要因もマーケットには無視できません。ドナルド・トランプ前大統領の発言や行動は市場心理を動かす場面が増えています。例えば最近では、トランプ氏が**「対メキシコ・カナダの輸入品に25%の関税を来月から発動する」と表明し、これが貿易戦争への懸念を呼び起こしました。市場参加者は関税方針を巡る「政策の不透明感」に神経質になっており、このニュースが伝わった25日にはリスク資産から安全資産への資金シフトが加速する一因となりました。またトランプ氏を中心とする政権が、国家安全保障の観点から対中輸出規制を一段と強化する動きもリスク要因です。実際、報道によればトランプ政権下の一部当局者はエヌビディアの最先端半導体について無許可で中国に輸出できる量や種類をさらに制限することを検討しているとのことです。このような措置が実施されればハイテク株全般に逆風となり、マーケットのボラティリティ要因となり得ます。さらにトランプ氏個人の動向(例:次期大統領選への出馬表明や訴訟問題など)も市場に不確実性を与える要素です。総じてトランプ前大統領の言動や政策スタンスは市場変動要因**として今後も注意が必要であり、投資家は迅速な情報収集とリスク管理を求められます。

ABOUT ME
いけだい
現在会社員として働きながら、40歳を超えて投資を通じて本格的に資産形成を進めています。このブログでは、**「これから投資を始める人」や「今後の資産形成に漠然と不安を感じている人」**に向けて、実体験を交えた情報を発信しています。
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