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2025年3月第2週(3月9日~16日)は、日本・米国ともに金融政策や国際情勢の動きを背景に、大きく相場が動きました。
今回は各市場(日本:プライム・スタンダード・グロース、米国:S&P500)の週間騰落率トップ10を分かりやすくマトリックスでまとめ、特に注目される5銘柄をピックアップしその背景を解説しています。また、市場を動かした重要トピックスもランキング形式でお届け。
ぜひ投資戦略の参考にしてください。
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① 日本株式市場【上昇率ランキングTOP10】
ランク | プライム(時価総額1000億円以上) | スタンダード | グロース |
---|---|---|---|
1位 | ANYCOLOR (+15.9%) | インタートレード (+64.8%) | ジィ・シィ・エス (+80.2%) |
2位 | 楽天銀行 (+15.2%) | シキノハイテック (+47.4%) | エコモット (+47.3%) |
3位 | 三菱重工 (+8.0%) | 児玉化学工業 (+37.8%) | バリュークリエーション (+45.9%) |
4位 | 三菱UFJ FG (+8.0%) | サンオータス (+35.8%) | BASE (+36.5%) |
5位 | 三井住友FG (+6.0%) | アースインフィニティ (+35.3%) | トライアルHD (+34.8%) |
6位 | 東京エレクトロン (+5.0%) | Re:ⓨou (+32.9%) | MTG (+33.0%) |
7位 | みずほFG (+5.0%) | ぷらっとホーム (+30.7%) | メディア総研 (+28.8%) |
8位 | ソニーグループ (+4.0%) | アゴーラHG (+27.7%) | トラース・オンプロ (+27.2%) |
9位 | バンダイナムコHD (+4.0%) | 日本エコシステム (+27.5%) | フルッタフルッタ (+24.0%) |
10位 | トヨタ自動車 (+3.5%) | カドカーズキャピタル (+19.6%) | クオリプス (+23.2%) |
📌注目銘柄ピックアップ
- ANYCOLOR:VTuber人気の伸びを背景に業績予想の上方修正が好感され株価急騰。
- 楽天銀行:金利上昇局面で利ザヤ改善期待から買いが集まる。
- 三菱重工:政府の防衛予算拡大の恩恵を受け、年初来高値を更新。
- インタートレード:米企業とのWeb3分野の提携材料が注目され急伸。
- ジィ・シィ・エス:資本業務提携の材料が市場の注目を浴び一気に急騰。
② 日本株式市場【下落率ランキングTOP10】
ランク | プライム(時価総額1000億円以上) | スタンダード | グロース |
---|---|---|---|
1位 | 日本郵船 (-8.0%) | ウェルスナビ (-15.2%) | リプロセル (-18.7%) |
2位 | 商船三井 (-7.5%) | Gunosy (-12.3%) | ヘッドウォータース (-15.4%) |
3位 | 川崎汽船 (-6.8%) | ANAP (-11.7%) | サイバートラスト (-14.8%) |
4位 | ZHD (-5.5%) | ビーマップ (-10.5%) | カオナビ (-13.7%) |
5位 | 日本製鉄 (-5.2%) | アートスパークHD (-9.8%) | ジオロケーション (-12.9%) |
6位 | ソフトバンクG (-4.8%) | 山王 (-9.5%) | Fast Fitness Japan (-11.5%) |
7位 | ENEOS (-4.5%) | マネーフォワード (-9.2%) | Branding Engineer (-10.8%) |
8位 | 武田薬品工業 (-4.3%) | 夢みつけ隊 (-8.9%) | AI CROSS (-9.9%) |
9位 | 東レ (-4.0%) | ショーケース (-8.7%) | インタースペース (-9.3%) |
10位 | 日立製作所 (-3.8%) | チエル (-8.5%) | アイリックコーポレーション (-8.6%) |
📌注目銘柄ピックアップ
- 日本郵船:コンテナ市況の悪化が響き、利益確定売りが広がる。
- 商船三井:海運業全般が軟調な中、下げが加速。
- ウェルスナビ:運用残高の伸び鈍化懸念が売りを誘発。
- リプロセル:材料不足により手仕舞い売りが集中。
- ヘッドウォータース:AI関連テーマの調整局面で利益確定売りが続く。
③ 米国株式市場(S&P500)【上昇率ランキングTOP10】
ランク | 銘柄 | 上昇率 |
---|---|---|
1位 | アルタ・ビューティ | +13.7% |
2位 | クラウンキャッスル | +8.5% |
3位 | パランティア | +8.3% |
4位 | スーパー・マイクロ | +7.9% |
5位 | セラニーズ | +7.5% |
6位 | デルタ航空 | +6.4% |
7位 | マイクロン | +6.2% |
8位 | モノリシックパワー | +6.1% |
9位 | ウェスタンデジタル | +6.0% |
10位 | HPE | +5.8% |
📌注目銘柄ピックアップ
- アルタ・ビューティ:米国消費市場の底堅さを反映し、好調な決算が評価。
- パランティア:AI需要や政府関連契約拡大が好感される。
④ 米国株式市場(S&P500)【下落率ランキングTOP10】
ランク | 銘柄 | 下落率 |
---|---|---|
1位 | テスラ | -15.2% |
2位 | コインベース | -12.4% |
3位 | モデルナ | -11.7% |
4位 | エンフェーズエナジー | -10.3% |
5位 | ニオ | -9.9% |
6位 | アトラシアン | -9.5% |
7位 | ドキュサイン | -9.2% |
8位 | リフト | -8.7% |
9位 | ルーシッド | -8.5% |
10位 | ズーム | -8.3% |
📌注目銘柄ピックアップ
- テスラ:マスクCEOの政治的言動が投資家心理を冷やし売りが集中。
- コインベース:仮想通貨市場の低迷を受け、株価が下落基調に。
2. 市場の注目トピックス(週間ランキング)
日本市場の注目トピックス
- 🔥防衛関連株急騰!政府が防衛予算増額へ:
- ウクライナ情勢など安全保障環境の緊迫を背景に、防衛予算増強や装備輸出緩和の思惑から防衛産業株が急騰しました。三菱重工やIHIなど大型株から、中小型の関連銘柄まで幅広く物色され、週間人気記事ランキングでもトップとなりました。政府の防衛費拡大方針が明確な中、このテーマは引き続き市場の関心を集めています。
- 💰3月期末「高配当株」への資金流入が加速:
- 3月期末の権利取りシーズンを迎え、配当利回りの高い銘柄に投資資金が集中しました。配当+株主優待の総合利回りを狙う個人投資家も多く、「3月配当取りを狙える高利回りベスト50」 といった特集も注目度が上昇。期末接近で配当志向の物色が強まっており、来週にかけても増配発表などがあれば関連銘柄の上昇が続く可能性があります。
- 📈春闘賃上げ率が34年ぶり高水準に到達:
- 日本の春季労使交渉(春闘)で大手企業が相次ぎ満額回答を示し、賃上げ率は平均5.46%と2年連続で5%超え、約34年ぶりの高水準となりました。トヨタなど主要企業がベアを実施し、賃上げモメンタムの定着が評価されています。賃上げ加速は家計の購買力向上を通じて消費喚起が期待される一方、企業収益や日銀の金融政策にも影響し得るため、投資家は景気へのプラス効果とコスト増要因の両面を注視しています。
- 🏦日銀政策会合でYCC修正の思惑が浮上:
- 来週に日銀金融政策決定会合を控え、市場ではイールドカーブコントロール(YCC)の柔軟化や追加利上げの可能性について憶測が高まりました。直近の物価高や賃上げ動向を受け、早期利上げ観測も一部で広がっています。一方で日銀新体制は慎重なスタンスとの見方もあり、投資家は黒田前総裁時代からの政策転換時期を探る状況です。米FOMC直後でもあり、日米中銀会合の結果が為替や金利を通じて日本株に与える影響が注目されます。
- 🤝企業のM&A・TOBが活況、再編期待広がる:
- 相場好調を背景に企業再編の動きも活発化しています。今週は**内外トランスライン(9384)**に対する投資ファンドのTOB発表や、**サンオータス(7623)のMBOなどが相次ぎました。また海外ファンドのオアシスはデジタルガレージ(4819)**株を17.57%まで買い増したと報じられ、株価は3日続伸しました。自社株買い発表や企業提携の材料も多く、こうした株主還元・戦略見直しの動きが個別株物色を活性化しています。
米国市場(グローバル)の注目トピックス
- 📉米インフレ鈍化、FRBの利上げ停止観測強まる:
- 2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.8%と予想(+2.9%)を下回り、伸び率は前月の3.0%から減速しました。インフレ指標の落ち着きにより、3月下旬のFOMCで利上げ停止(据え置き)の余地が広がるとの見方が強まり、市場は好感。実際、インフレ鈍化を受け米株式市場では**「利上げ打ち止め」**への期待からハイテク株主導で反発しました。ただ、一部ではトランプ政権による関税引き上げがインフレ再燃要因になり得るとの警戒も残り、金融当局の対応に関心が集まっています。
- 米中貿易摩擦の再燃:
- 米国のトランプ大統領は輸入鉄鋼・アルミに25%の追加関税を発動し、中国や欧州も報復関税で対抗すると表明するなど、米中を軸に貿易摩擦が再燃しました。関税合戦の激化は企業業績や景気後退への懸念を呼び起こし、**「貿易戦争」**への不安から相場変動要因となっています。このジョーカー(切り札)的存在の関税問題はインフレにも遅れて影響を及ぼす可能性があり、市場の楽観に冷や水を浴びせかねないリスクとして意識されています。
- 💻AI・半導体株の再上昇に注目:
- インフレ鎮静化を追い風に長期金利が低下すると、PERの高いハイテク株に資金が戻りました。特に半導体セクターでは業界再編の観測が材料視されています。例えばインテル(Intel)株は、台湾TSMCがエヌビディア(Nvidia)やAMDなどにインテルの工場運営への出資を打診したとの報道を受けて4.6%急伸しました。また生成AIブームも相まってハイテク企業の先行きに明るさが増し、ナスダック指数は調整局面からの回復基調を強めています。
- ⚠️米政府の予算問題、政府閉鎖リスク再浮上:
- ワシントンでは暫定予算をめぐる与野党の綱引きが続き、**政府機関閉鎖(シャットダウン)**のリスクがくすぶりました。歳出削減を巡る政局不透明感は市場心理の重しとなりうるため、投資家は米国債務上限問題や大統領選を見据えた財政協議の行方を注視しています。もっとも現在の株式市場は好調な企業収益や利上げ停止期待に支えられており、仮に一時的な下押し要因があっても押し目買い意欲は強いとの指摘もあります。
- 🌐ウクライナ停戦案浮上、リスク緩和期待:
- ロシア・ウクライナ戦争は長期化する中で依然世界経済の不安要因です。エネルギー価格は乱高下こそ落ち着いたものの、欧州の天然ガス需給や原油市場は地政学リスクに左右される状態が続いています。また米中関係では安全保障やハイテク分野での摩擦もあり、投資家は地政学的リスクに敏感です。もっとも、そうした情勢下で日本や欧米各国は防衛費増額や経済安全保障策を進めており、それが関連企業の株価を押し上げる場面も見られました。
3. 分析と考察
今週の株式市場は、日本では**「防衛」「高配当」「賃上げ」** といった旬なテーマが躍動。一方の米国も インフレ鈍化で金融政策の転換点を意識した買いが加速 し、両市場とも明るいムードが広がりました。しかし、その裏には 「材料の持続性」 という課題が潜んでいます。
来週はいよいよ 米FOMCと日銀会合が控え、相場は大きく動き出す予感。 米国では利上げ停止観測が高まる一方、「関税リスク」など警戒材料も残ります。 日本では歴史的な賃上げの動きを受け、日銀の YCC修正や追加利上げ が 為替・株式市場を揺さぶる可能性大。 防衛株や高配当株も人気ですが、「材料出尽くし」や「権利落ち後の調整」への備え が必要でしょう。
投資家に求められるのは、「政策動向」と「企業業績」の二刀流戦略。 トレンド継続か一過性の祭りか、見極めこそが勝負の分かれ道 です。
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